歯茎や口唇、粘膜の
異常を診察します
Oral surgery
口腔外科は、口腔内の虫歯・歯周病以外の
疾患を扱う科目です。
お口の粘膜や顎の関節など、口腔を形成する
あらゆる部分生じた疾患に対して、
外科的な治療を行います。
当院では、主に、
「親知らずの抜歯」、「顎関節症」、
「外傷による歯の破折、裂傷」を扱っています。
お口の中に心配事がある場合には、
ささいなことでもお気軽にご相談ください。
親知らずの抜歯
親知らずとは
親知らずとは、前歯から数えて8番目、第3大臼歯のことを指します。親が口の中を見なくなる20歳(成人)前後に生えてくることから、親が知らない間に生えてくる歯=親知らずと呼ばれるようになりました。以前は、きちんと並んで生えていたと言われていますが、現代人はひと昔前に比べても顎が小さくなっている傾向があります。そのため、親知らずが正しい方向に生えず、真横を向いている場合やそもそも生えてこないということが多くなってきました。
親知らずは抜いた方がいい?
親知らずは全て抜いた方が良い、というわけではありません。きちんと正しい方向に生え、咬み合っていて、ちゃんと歯磨きができるのなら、無理に抜く必要はありません。しかし、図のように真横を向いていると、手前の歯が虫歯になってしまったり、親知らずと歯茎の隙間に汚れが溜まって腫れてしまうことがあります。そういった場合には抜歯した方が良いでしょう。
親知らずを抜歯する目安 CHECK
以下のような症状がある場合には、抜歯をおすすめします。
- 手前の歯が虫歯になっている
- 手前の歯の歯周病が進行している
- 歯茎が腫れたり引いたりを繰り返している
- 違和感がある
- 虫歯があり、治療ができない
田中歯科クリニックでの
親知らずの抜歯
下顎の中には、太い血管と神経が入っている管があります。近年、人間の顎は小さくなる傾向があり、そのため、親知らずが真横に生えていて、親知らずの根の先が神経に近いことがあります。当院では、親知らずの抜歯を安全に行うため、神経が歯の根元に近い場合にはCTの撮影をお願いしています。CT撮影により歯と神経の位置関係が3次元で分かるようになるため、親知らずの抜歯におけるリスクを減らすことができます。
CTレントゲン写真
CTとは「Computed Tomography」の略で、コンピュータによるデータ処理とレントゲン画像の再構成により、立体的な断層写真を撮影する装置です。大学病院などにある大きなCTに比べ、歯科に特化した歯科用CTは、ミクロレベルでの情報が得られます。さらに、特殊なスキャン方法により、X線照射が短時間で済み、歪みの少ない正確な断層写真を撮ることができるという特徴があります。レントゲン写真が3Dで再現されるため、非常に分かりやすく骨の中を診査・診断することができます。
これまで、CT撮影を行うためには、CTが導入されている大学病院などへ出向かなければなりませんでしたが、当院では歯科用CTを完備し、撮影を行うことができます。院内で撮影することにより、迅速に診断・治療が可能になりました。
CTは親知らずの抜歯のほか、歯周病の進行の程度や、歯の神経の病変の状態にも利用できます。インプラント治療においては、骨の量や密度、厚みなどを精密に知ることができるため、現代のインプラント治療において、CT撮影は必須と言っても良いでしょう。CT画像はインプラント手術前の診断やシミュレーションに用いることができます。
また、3Dの詳細な画像は、他の撮影方法では判別できない症状の原因究明に役立つため、非常に有用です。
顎関節症
顎関節症とは
顎関節は下顎の骨と頭蓋骨の連結部のことで、こめかみのあたりにあります。ここに何かしらの異常があり、かつ他の疾患が考えられない場合に、顎関節症と診断されます。顎関節症は大きく5つに分かれています。
TYPE 顎関節症の分類
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Ⅰ型顎関節症(咀嚼筋障害)
咀嚼筋という、食事の時に必要な筋肉に異常があるものを言います。症状があらわれることが多いのは咬筋という顎を動かす一番大きな筋肉です。頬骨から顎の骨までを覆っているため、頬の部分を押すと痛い、という場合には、Ⅰ型顎関節症を疑います。
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Ⅱ型顎関節症(関節包・靭帯障害)
顎関節を形成する靭帯や、膜に異常があるものを言います。こめかみあたりにある顎関節部分を圧迫すると痛みが出ることが多く、打撲などの外傷性のものと、歯ぎしりや食いしばりなどの生活習慣などが関与するものがあります。
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Ⅲ型顎関節症(関節円板障害)
関節円板とは、下顎の骨と頭蓋骨の間に挟まっている繊維製の円盤状の靭帯です。ここに異常が生じたものを関節円板障害と言います。Ⅲ型顎関節症は関節円板が元の位置に戻るⅢa型と、関節円板が完全に転位(位置が変わってしまった)したⅢb型に分かれます。
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Ⅳ型顎関節症(変形性顎関節症)
顎関節の形そのものが変わってしまったものをいいます。顎関節を形成する骨や靭帯に異常を生じるため、口が開かない、痛みがある、関節雑音(口を開閉すると雑音がする)などの症状が出現します。
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Ⅴ型顎関節症
Ⅰ~Ⅳ型に当てはまらないものをⅤ型に分類します。
顎関節症の症状
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疼痛
顎の筋肉や顎関節部を触ったり、押したりすると痛い、口を開けると痛い、などの症状があります。
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開口障害
口が開かない、または閉じることができないなどの症状が現れることがあります。
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関節雑音
口を開けるとき、閉じるときに音が鳴ることがあります。痛みを伴わない場合が多いです。
顎関節症の治療
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薬物療法
痛みがある場合は、抑えるためにお薬をお出しします。他の治療法を併用することが多いです。
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理学療法
マッサージや筋肉のストレッチなどを指導します。
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スプリント療法
マウスピースを作り、関節への負担を軽減させます。
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咬合治療
歯が無い部分があったり、噛み合わせの合っていない被せ物が入っていると、顎関節症を発症しやすいため、適切な治療を行います。
外傷
ぶつかったり、転んでしまって歯が抜けてしまったり、歯の位置が変わってしまった場合には、早急な処置が必要です。特に、歯が抜けてしまった場合には、早期の再植によって使えるようになる可能性があります。牛乳やイオン飲料水などに入れるか、口の中に入れておくなどして、なるべく早くお越しください。
歯が折れてしまった場合には、残念ながら折れた部分は使えないことが多いですが、被せ物などの場合は、使えることもあります。また、歯が折れてしまうと、中の神経が露出して激痛になることもあるため、なるべく早くお越しください。
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「怖くない」クリニックを
目指します
歯科医院は臭いや音、痛みなど、患者様が不快に思う要素がたくさんあります。
特に痛みは、患者様の足が遠のく大きな要因です。当院では、痛みが少ない治療を目指して、麻酔に工夫をしています。
虫歯の治療などは、痛みが出る可能性があるため、麻酔をすることが多いのですが、「麻酔は痛いから嫌だ」という患者様も多くいらっしゃいます。当院では、表面麻酔というシールを歯茎に貼る麻酔を行います。これにより、針を刺す時の痛みを軽減することができます。さらに、麻酔薬を注入するのに電動の注射器を使用しています。電動の麻酔器は、無理な力をかけずに薬液を歯茎に注入するため、痛みを感じにくくなります。
このように、麻酔に工夫をすることで、痛みが少ない治療を実現させています。